ブルーナさんがいなくなった。
もちろん知り合いでもなんでもない。
いい歳してミッフィー好きなわけでもない。
(いやでも好きだけど)
ディックブルーナさんと言えば、
私にとっては、グラフィックデザインのお手本、
勝手にお慕い申し上げる先生なのであります。
レイアウトの精巧さは言うまでもなく、
モチーフがとにかくシンプルで核心的。
ブルーナさんが若い頃のデザイナー経験が、
ミッフィーには詰まっています。
ミッフィーはファンシーに見えるけど、
よくよく見ると、すんごいとんがってる。
一見すると単純な線は、
小刻みに震えていて、
綱渡りでもしているかのような
緊張感でめまいがするほどです。
ストーリーはもちろん、
表情、色システム、判型、ページ割りまで、
ストイックにデザインし尽くされています。
ブルーナさんのデザインの法則がある。
法則化されているということは、
そこへ至るまでの研鑽がすさまじいことを
物語っているんですよね。
我々のような、
時代の隅っこで消えていく
デザイナー風情においては、
もうひれ伏すしかないのです。
写真は衝動買いした、
ミッフィー以外の作品を網羅した
グラフィックデザイン集。
それはそれはもう、
今までどれだけパクったか、
あ、いやいや、
どれだけ参考にしたかわかりません。
だって、思いついたもの、
もう、やられちゃってるんだもんね。
いつもいつもいつもいつも。
こんな表現ができるようになりたい、
と、目指す山は高いことを、
思い知らされるのです。